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膝内側側副靭帯損傷について
2019/08/06
膝の痛み

こんにちは!

今日は膝内側側副靱帯(MCL)損傷について書いていきたいと思います。


★原因や治し方、予防や対処

はじめに膝内側側副靱帯(以下MCL)は、膝靱帯損傷のうちで最も頻度が高く、単に膝の捻挫として取り扱われることが多い障害です。 初期に適切な固定をすれば修復しやすいものですが、陳旧化(急性期に処置をせず伸びた状態)した場合は、有効な治療法が少ないので受傷時の取り扱いは慎重を期します。
解剖MCLは浅層、深層、後斜靱帯の3層構造となっていて、長さ10cm、幅3cmの範囲で膝関節内側部の大腿骨内上顆から脛骨内側部にかけて走行しています。
受傷原因ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツでは、膝外側→内側への外力(タックル)により、関節に外反、または外旋力が強制されたときにMCLは過緊張して、最終的には断裂しやすくなります。スキーでの転倒時、ジャンプ着地時、ツイスト時などでも発生します。
症状内側関節部に一致した圧痛、腫張、熱感、荷重にて外反動揺性が認められます。 受傷直後は関節血腫が、慢性化すると水腫が存在します。  一般に損傷は、以下の3型に分類して治療方針に活用します。 I度:動揺性(健側と比較して)はなく、靱帯部の圧痛が主であるII度:伸展位の外反動揺性(−)、30°屈曲位で外反動揺性(+)III度:伸展位の外反動揺性(+)、30°屈曲位で外反動揺性(+)
治療I度はRICE療法を、II度は固定による保存療法が一般的です。消炎鎮痛薬の使用、超音波、低周波などの物理療法による疼痛対策を行います。  III度損傷や前十字靱帯(ACL)や半月板損傷合併例は、靱帯の一次縫合手術を行いますが、単独損傷例ではギプス固定や、最近では装具固定による保存療法も用いられ、良好な成績を挙げています。
合併損傷単独損傷が多いものの、ACL、後十字靱帯(PCL)損傷や、内側(外側)半月板損傷を合併します。ACL+MCL+内側半月板の損傷合併例をUnhappy trias(不幸の三徴)ともいいます。
検査レントゲンは骨折の有無確認が目的であり、損傷の程度はストレスレントゲンや器械によるチェックが有用です。 MRI検査は最も有用で、MCL損傷のみならずACL、半月板、出血などの確認が可能です。

受傷後のリハビリテーション初期はアイソメトリックにSLR訓練、膝周辺の屈伸筋同時収縮訓練を主に、腱側や体幹上肢のトレーニングを行います。  受傷3週以降で疼痛は軽減してくるので装具装着下で、徐々に膝関節のROM、歩行訓練を開始します。
予後単独損傷では、初期に適切な固定を行った場合は比較的安定しますが、ACL損傷を合併している場合は緩みやすくなります。 MCLが緩むと、のちに半月板損傷を併発しやすくなります。
ポイント受傷時に損傷程度を把握した正確な診断と、適切な固定を行うことが重要です。 故障後のリハビリは、早い目に開始するに越したことはありません。 出来るだけ早くご来院ください。

http://physical-care.e-chiryo.jp/