こんにちは
今日はこれからシーズンに入ってくるラグビーにおけるケガの種類などについて書いていきます
ラグビーでは選手同士のぶつかり合いで、様々な怪我が発生します。打撲、捻挫、打ち身きり傷、すり傷などは日常茶飯事の出来事です。その中でも特に、日頃から見受けられる大きな怪我としては、鎖骨骨折・肉離れ・肩関節の脱臼・前十字靭帯断裂・上肢、下肢の骨折・腰椎の分離症、すべり症・椎間板ヘルニア・脳震盪・熱中症など、完治までに時間がかかる怪我も多く発生します。
肉離れなどは、治す途中でまた打撲をするなど、一度起こると完治までに時間がかかる場合もあります。肉離れだからと軽視するのではなく、最高の状態でプレイが出来るように日頃から、アイシングやホットパック、テーピングなどのケアーをきちんと行っていきたいものです。
ラグビーでは様々な怪我が起こりうるスポーツですので、怪我に対する予防は難しいかもしれません。怪我を良くする選手と怪我をあまりしない選手がチームには存在します。ポジション別でも同じ所ばかりを怪我する選手などは、プレイに癖があるのかもしれません。怪我の休養からラグビーで使う体の動きをイメージし覚えなおすのも、大切な怪我の予防です。
今回はラグビー選手に多いケガを紹介していきます。
バーナー症候群
アメフトやラグビーなど激しい当たりの多いスポーツで見られ、頸部神経過伸展症候群、通称バーナー症候群と呼ばれています。頸部からの神経走行と逆の方向に首に衝撃が加わって神経が引き伸ばされ、火がついたような強烈な痛みをともないます。神経が走っている方向に衝撃が加わって起こることもあり、これは神経が骨の間に挟まってしまうのが原因とみられています。
首や肩、腕、背部などに強い放散痛(ほうさんつう)が見られ、しびれ感、また握力の低下などの神経障害がおこります。
一度受傷すると瘢痕(はんこん)による肥大化、癒着(ゆちゃく)などによって神経脊髄神経の通路が狭くなり、神経の圧迫や伸展されやすくなるため、競技復帰には注意が必要です。神経障害の経過回復をまず優先させるようにしましょう。
椎間板ヘルニア
頚椎(けいつい)には3つの機能があります。@頭部を支える役割、A頭部を動かす運動機能、B神経組織を保護する機能、とがありますが@、Aに重要な役割を持っているのが椎間板と椎間関節です。
椎間板の変性は後天的な要因として、たとえばラグビーのタックルやサッカーのヘディング動作の繰り返しなどによるスポーツ外傷や過度の負荷がかかることで機能障害を起こすことがあります。椎間板の中にある髄核(ずいかく)と呼ばれる部分が後方へ隆起し、神経を圧迫するものを椎間板ヘルニアと呼びます。
頚椎で起こる椎間板ヘルニアは、頚部から上肢にかけての激しい放散痛がみられ、また圧迫を受けている神経の支配する領域にかけての筋力低下や知覚鈍麻などがみられます。MRI検査を受けることで的確な診断が確定しますので、このような症状があてはまる場合は早急に病院を受診するようにしましょう。
一般的な治療法として、急性期の痛みの激しい時期では安静、頚部牽引などを行い、消炎鎮痛剤の投与で経過観察としますが、保存療法で症状が軽減しない場合は手術が適応されることもあります。
安全なコンタクト法
頚部外傷の再発予防には、医学的に安全なタックルやブロックなどのコンタクトプレーを習得することと、相手に勝るだけの頚部を中心とした筋力を強化することが効果的です。
医学的に安全なプレーとは、選手自身にとってはあごを引き気味にヘッドアップしながら相手をみることであり、相手を見ないで頭頂部からあたりにいかないことであるといわれています。頚部の前彎(ぜんわん:生理的な前への曲がり)を保つために肩をすくめて固定することで、頚部を振られないようにすることが重要となってきます。
これらのコンタクトプレーを行う場合のフォームは、上半身や腰背部、下肢の筋力強化とバランス能力が重要であり、さらにスピードをつけて行えるような体力要素が要求されるものとなります。当たり負けしてフォームを崩され、頚部が振られないようにするために、日頃から頚部のみならず全体的な筋力強化を行う必要があるといえるでしょう。
当院ではスポーツ選手の治療にあたりフィジョンという機械で体組成といわれる骨・筋・脂肪の量を計測し筋のバランスや足もとの立ち姿勢を始めに確認します。
そのうえで痛みの原因やプレー中の癖を判断しその選手の必要な治療を行っていきます。
ご興味のある方や実際に怪我に悩まれている方はぜひ一度ご連絡ください