こんにちは
寒い日が続くようになりました。
今日はスポーツ選手から一般の方までなりうる危険性の高いこむら返りについて書いていきたいと思います。
こむら返りとは
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が急激に収縮することによって足がつった状態になることで、激しい痛みを伴う症状です。こむら返りという症状は、ふくらはぎだけでなく、あしくびや太もも、土踏まず、指、首、肩など、いろいろなところの筋肉でも起こるのですが、ふくらはぎで起こるケースがもっとも多い症状です。
高齢化とともに起こりやすくなり、また男性よりも女性のほうが起こりやすいという特長があります。
こむら返りは大きく2つのパターンに分けることができます。
@水泳や野球、サッカー、テニスなどのスポーツをしている 時や買い物や犬の散歩、家事をしているとき、通勤などの日常生活
A就寝中
両方ともこむら返りが起こったときの症状にはそれほどの違いはありませんが、スポーツをしている時や日常生活中に起こるものは、一過性で、症状が治まってしまえば、何事もなかったように元の状態に戻ることが多いのですが、就寝中に起こるものは、一度起こると繰り返し起こりやすくなり傾向がありますので注意が必要です。
私たちが手で物を握ったり足を上げて歩いたり走ったりできるのは、筋肉を脳からの信号で収縮させ、その筋肉が収縮する力でそれぞれの骨を動かすことによって、自由に身体を動かすことができるのです。つまり脳からの信号で正常に筋肉が収縮することによって、自由に身体を動かすことができるのです。ところがここで筋肉の異常収縮が起こった状態になることが、こむら返りです。
ではなぜ筋肉の異常収縮が起こるのでしょうか。
人の体の細胞内にはカリウムイオンが、また血液中にはナトリウムイオンが多く含まれているが、筋肉が収縮する時にはそれぞれ細胞外、細胞内へと移動します。スポーツなどで多量の汗をかいたときは電解質(カリウムやナトリウムなど)のバランスが崩れ、この移動がうまくいかず筋肉の異常収縮が起きるのです。
筋肉の異常収縮はスポーツをしている時以外でも普段の日常生活の中でも起こります。特に以下の原因が関係していると思われます。
・筋肉の疲労
・運動不足
・水分不足及び体液中の電解質の異常
また一過性ではなく、頻繁に繰り返し起こる場合には
・椎間板ヘルニア、糖尿病、動脈硬化、甲状腺異常などの疾病
・降圧剤、抗高脂血症剤、ホルモン剤などによる副作用
・妊娠中
などが考えられます。
足がつる原因のひとつとしてよく話題に上がるのがミネラル不足です。ミネラルは人が身体を作り上げるためには欠かせない栄養素であり、五大栄養素のひとつとして知られています。
ミネラルと一言で言っても種類は非常に多く、有名なところだとカルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛などがあります。
足がつるという症状を引き起こすのはこの中でもカルシウムとマグネシウム不足だと言われているので、足がつる症状が頻繁に現れる方はこれらの栄養素を積極的に摂取しカルシウム・マグネシウム不足を補うことで予防になるかもしれません。
特に妊婦さんはお腹の中の子供にも栄養素が行き渡ってしまうのでカルシウム・マグネシウム不足になりがちだと言われています。より注意して摂取しないとミネラル不足になり足がつる頻度が多くなってしまう可能性があるので気を付けましょう。
運動すると足の筋肉が疲労するので足がつることが多くなると言われていますが、それ以外にも汗として身体の中のミネラル分が出て行ってしまうことが原因となり足がつるという症状が多発すると考えられています。
運動で汗をかいた後は特にマグネシウム不足になりがちなので、ミネラルを意識して取り入れるようにしてみてください。
カルシウムは筋肉に作用したり神経伝達をスムーズにしてくれるという重要な働きを担っているのですが、カルシウムが不足すると当然この働きが滞ってしまいます。
そしてマグネシウム不足に陥るとその大事な働きをするカルシウムの量をしっかりと調節できなくなり筋肉に異常を来すのです。
足をつるという症状はマグネシウム不足をはじめとしたミネラルの不足が引き起こすこともあると覚えておきましょう。
足がつる、こむら返りが起こってしまったらどうすればいいのでしょうか?
こむら返りというのは自分の意思に反して突然筋肉が収縮する現象ですから、その収縮した筋肉を伸ばしてやればいいのです。
その応急処置の仕方を具体的にいくつか紹介します。
周囲に人がいる場合は足の裏側から押してもらいます。
でも、周りに誰もいない場合は自分でなんとかしなくてはいけません。
膝を伸ばして足のつま先をゆっくり顔の方へ曲げるようにして、ふくらはぎの筋肉を伸ばします。収縮した筋肉を伸ばすことで痛みが消えていきます。ただし、あくまでゆっくりと行うようしてください。一気に無理矢理伸ばそうとすると、筋肉を痛めてしまう恐れがあるので、ゆっくりとふくらはぎを伸ばすようにしてください。
高齢者の方や、身体が硬くて足のつま先に手が届かない場合は、 手ぬぐいかタオルで足先にひっかけてゆっくり伸ばすと簡単に足を伸ばすことができます。
近くに壁がある場合は、壁に足の裏を押し付けてふくらはぎを伸ばします。
立っている時は、つっていない方の足を前に出し重心を前に移します。両手は前に出した足の太ももの上に置き、つった足のかかとは床につけたままにして筋肉を伸ばして下さい。つまりアキレス腱を伸ばすようにすれば良いのです。
そしてこむら返りが治まったら、そのまま何もしないで放置しておくのではなく、蒸しタオルなどで暖めてやると、筋肉の回復が早まるだけでなく、こむら返りの再発を予防できることにもなりますので、ぜひ行うようにしてください。
こむら返りは、血行が悪くなり脚が冷えると起こるリスクが高まります。こむら返りを起さないためには、足元を冷やさないように、ヒザ掛けを掛けたりムートンブーツを履いたりすると良いでしょう。天然の羊の革を使用して作られているムートンブーツは、湿気を外に逃がし中の温度を一定に保つ作用がありますので、夏場でも蒸れずに快適に足元を守ってくれます。スリッパではなく、踵から足首までの短い丈の物がお勧めです。足元が温かいと身体全体の血行が良くなり、こむら返りの症状は改善されるでしょう。
身体の冷えや気温の低下というのは痛みを引き起こしやすくなります。
もし、身体に違和感や痛みがあれば気軽にご相談いただければと思います