野球肩、肩の上側の痛みとして、これも多く見られる
「肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん)」
以前お話致しました、「腱板損傷、断裂」と似たような部位に痛みを出すものです
今回お話する「肩峰下滑液包炎」は「腱板損傷、断裂」よりは重症度は高くないものの
多くの方に見られやすい疾患とも言えます。
肩峰下滑液包炎について
肩には「肩峰下滑液包」という組織が存在します。
これはクッションのような働きを行う組織になっており、
「肩峰」と呼ばれる肩甲骨の一部と、
「上腕骨」という腕の骨の間の部分に存在し、
その「肩峰」や「上腕骨」に付着する筋肉群などにも板挟み状態に存在する組織となっています。
この「肩峰下滑液包」がこれらによる挟み込み(インピンジメント)を受け
炎症を起こした結果痛みとして出現するという形になるのですが、
一般的には加齢に伴い起きやすい為、いわゆる「五十肩」の解釈として
この疾患が言われる事が多いです。
しかし野球の場合では、肩を特に酷使するスポーツであり、
他のスポーツと比べても肩への負担がかなり大きいスポーツです。
そのため「投球フォームの乱れ」が主として
野球選手にもこのような症状がみられる事もあるのです。
野球における「肩峰下滑液包炎」について
発症までの機序は先に述べた通りですが、少し具体的にお話致します。
先に「投球フォームの乱れ」と記載致しましたが実際どのようなことが起きているのか?
1、単純にフォーム自体が肩に負担の大きい動作である
2、投球数が増えるに伴い、投球フォームの乱れを生じさせた
というこの二つが原因として挙げられます。
では投球フォームのどういったポイントで痛めやすいか?ですが、
まず痛みが出やすいタイミングとして、「アーリーコック(いわゆるテイクバック動作)」が一つ目です。
↑利き腕を後方に引き上げていく動作がこの「アーリーコック」という動作です。
次に「フォロースルー」の時にも痛みを発する事があります。
↑ボールを投げ終わったタイミングがこの「フォロースルー」という動作です。
あくまで痛みが出やすい時期なだけであって、この2つの動作だけを改善すればいいという事ではありません。
投球は頭の先からつま先まで、すべての連動が起きなければできません。
投球フォームを改善する際にはトータルでの改善が必要となります。
どうすればいいか?
先に申し上げた通り、まず「投球フォームの改善」を考えるべきと言えます。
もちろん痛みだけの処置をして痛みは落ち着きますが、根本的な解決とは言えない為
「投球フォームの改善」は念頭に入れましょう。
できれば、医学的知識も野球の知識も両面にて見れる方がベストと言えます。
また、投球数や練習量も見直すようにしておきましょう!
最後に、上記のようなお悩み、野球のお悩みなどございましたら、
当院までお気軽にご相談下さい。