今日はゴルフで痛めやすい肩や肘の部分の障害について書いていきます
スイングショルダーとは、ゴルフをしている人の肩の故障です。ゴルフ肩とも言い、肩甲骨の可動域が左右で差があるのが特徴です。
また、肩が痛くて上げられないという症状は、四十肩や五十肩と似ていますが、四十肩などの場合は、外旋方向への可動域の低下が見られますが、ゴルフ肩はこのような外旋方向への可動域の低下は見られません。
肩周辺には、大きな筋肉が8つあります。ゴルフのスイングをするときは、これらの筋肉が伸縮・収縮するのですが、この繰り返しによって筋肉に負担がかかって起こる痛みがゴルフ肩です。
- テイクバック時に左肩が痛い
- スイング時やフィニッシュ時に右肩が痛い
- 練習直後は痛くないが、翌日に痛みが出る
- しばらく練習を休むと治るが、スイングすると再発する
- 病院へ行ったけれどよくならない
::::: 肩の筋肉 :::::
ゴルフをする人はみんなゴルフ肩になってしまうかというと、そうではないですね。
正しいスイングをしていれば、肩の痛みは起こらないのです。
正しいスイングとは、体の軸が安定し、腰の回転がスムーズで、左右対称の動きをしています。
多くのゴルファーは、腰の回転が上手く出来ないために、肩を必要以上に動かしてしまい、その結果、筋肉が痛んでしまいます。
さらに、ゴルフは左右対称の動きをするのが理想なのですが、それが左右不均等なスイングをしているために、片方の筋肉に負担がかかります。
ゴルフ肩の人の特徴である、肩甲骨の可動域が左右で違うというのは、スイングが左右均等に出来ていないということなのです。
また、もともと体にゆがみのある人は、左右均等な動きができません。
猫背の人は、肩が前に巻き込んでいるために、肩の可動域が狭く、本来のスイングができません。
肩にトラブルがでる人の体を診てみると、
- アゴの位置が違う
- 肩の位置が違う
- 鎖骨の骨の位置が違う
- 肩甲骨のうつ伏せになると凹凸がある
どれが1つでも当てはまれば、可動性に問題があります。
肩に限らず、体のいろんな部分に負担がかかりますので注意が必要です。
::::: ゴルフのスイングは、腕は上げない! :::::
下の写真を見て下さい。
まず、骨盤に傾斜をつけずに、直立してテイクバック、インパクト、フォロースルーの姿勢をしてみました。
どの姿勢も、腕は肩より上には上げていません。
(1)テイクバック |
(2)インパクト |
(3)フォロースルー |
このまま、 骨盤に傾斜をつけます。 ↓↓ |
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これが、テイクバックの姿勢です。
実際のスイングのように、骨盤に傾斜をつけて同じようにやってみます。
(1)骨盤に傾斜をつける |
(2)テイクバック |
(3)インパクト |
フォロースルーは、テイクバックと同じ姿勢で左右逆のパターンで、フィニッシュはそのまま腰を伸ばした姿勢になりますので、やはり腕を上に上げているわけではありません。
股関節や腰が柔らかく、体が滑らかに回転することが出来れば、このような動きができ、肩に負担がかかりません。
肩関節の構造上で腕を肩と水平な位置に挙げる時は、肘を回外にしないと挙がりません。アドレス時の肘の位置が大事で、間違った構えをしていると、関節が無理な動きをするために、肩や肘を痛めます。
肘の位置が悪いと
・肘が挙げにくい為に肩関節を痛めます。
・トップに行く途中で肘の関係で肩関節の可動性が制限されて小さなトップ(低いトップ)になります。
・肩関節が動かない(可動性の制限)のに上げる為に軸が傾きます。その為、トップで伸び上がりや肩のスエーなどが発生します。
ポイント
アドレスの時にバレーボールのレシーブの様な手の形で手首・肘・肩が均等に動く様にイメージして下さい。
ゴルフ肘の人の悩み
- スイングすると両肘が痛い
- マットにクラブをゴンゴンぶつけた後、肘が痛くなった
- フィニッシュ時に肘をたたむとき激痛が走る
- 自己流のフォームで練習をしていたら肘が痛くなった
- 合わない重さのクラブ(重め・軽め)を使っていたら肘が痛くなった
肘を痛める人のスイング
- 肘の抜けが悪い
- 肘がつっぱっている
- 手首の角度が悪い
上腕内側上顆炎のことを、通称ゴルフ肘と言います。
良く聞くテニス肘も、ゴルフ肘と同じスポーツ障害ですが、ゴルフ肘とは逆で、外側上顆に炎症を起こした状態です。
安静にしているときはほとんど痛みはありませんが、特定の動きをすると、肘の内側に疼痛(ズキズキ痛む)が生じたり、内側上顆部を押すと、痛んだり不快な感覚が生じます。
肘の関節は蝶番関節(曲げる関節)と車軸関節(ねじる関節)があります。
特に車軸関節はゴルフスイングの時の重要な微細なハンドル的な存在です。野球では、投手がカーブを投げる時に使う関節です。 テニスや卓球の時の変化球の時にも使います。
肘の関節は浅いために痛めやすいので、スイングするときは、肘をやや屈曲し脇腹を軽く閉める様に行うことが大切です。
上腕骨内側上顆部は、指や手首を曲げる筋肉(橈側手根屈筋、尺側手根屈筋)、肘を曲げたり内側に捻る筋肉(円回内筋)の付け根にあたる部分です。(上図参照)
指や 手首を動かすと、これらの筋肉が収縮し上腕骨内側上顆部が引っ張られます。この動作を繰り返し行うと、上腕骨内側上顆部に負担がかかり、炎症が起こります。筋肉が緊張して硬くなっている場合には、引っ張られる力も強くなり、炎症が起こりやすくなります。
腰の回転や、肩の動きが悪いと、どうしても手首を使った、“手打ちのスイング” になってしまいます。手打ちのスイングをするゴルファーは、肘の故障が多いのです。
また、スイングするときは、肘から下を回転させてフェースを開閉させるのですが、それがうまくできない場合も、手首を使ったスイングになってしまいます。
スイングする時、両肩とグリップの三角形を崩さないようにするのが基本ですが、肘から先は大きく回転しています。
ボディーターンと三角形を崩さない事を意識し過ぎて、腕を固定してスイングすると、手首・肘には相当の負担がかかりますし、飛距離も出ないスライス気味のボールになります。
::::: 肘から先の正しい動き :::::
テイクバックは肘から下を右に回し、フォローでは左に回します。
クラブを持たずに、手のひらを合わせて行ってみるとイメージしやすいと思います。
○ 正しい動き 手のひらが裏返る感じです。 |
× 間違った動き 肘から先を回転せずに、手首だけを動かしています。 |
肘から先を回すには、少し肘にゆとりをもたせることが必要です。
柔らかい感じでアドレスをとり、ボディターンよりも腕を振る感じで練習すると良いでしょう。
また、こういった動きの癖を見つけるために当院では体組成という筋肉の量とバランスを数字で出させて頂き、そのあとにどういった治療がベストなのかご提案し治療を進めていきます!!
もし体に不安のある方やこれを見て少しでも興味の湧かれた方はぜひ一度ご連絡ください