こんにちは!
今日は剣道についてお話ししていきます!
はじめに
全スポーツにおいて言えることなんですが
より強く、より速くという人類の欲求に答えてスポーツは、そのトレーニングの面が強調されていて、
スポーツによって生じる障害面についての認識はあまり大きくないように思われます。
トレーニング強度が強くなればなる程、
障害を起こす可能性が増大してくることは確かです。
トレーニング強度がさほど強くないと思っても、
フォームをより良いものにかえようとして、
今迄あまり使っていなかった筋を使いはじめれば、
障害を起こす可能性は大となってきます。
一度障害が起きてしまえば、
トレーニング強度を弱めざるを得なくなるし、
大きな障害であればかなりの期間に
渡ってその運動を中止せざるを得なくなってきます。
一流選手として活躍できる時期が、
若年齢のある短い期間に限られるような
いくつかのスポーツにおいて、
障害によってトレーニングを中止せざるを得ない状態は即、
選手生命を絶たれると言っても過言ではないのです。
剣道は選手生命の比較的長い競技ですが、
運動を一時中止せざるを得なくなった選手のショックといらだちは大きなものがあります。
現在、スポーツを指導している者や、将来指導に少しでも関わる可能性のある者は、
スポーツによって起こる障害とその予防のしかたを充分に知る必要があります。
障害の原因と種類
剣道によって障害を起こす原因には用具、施設の不備によるものと、剣道特有の動作に伴っておこるものとに大別できます。用具、施設が原因となるものとは、例えば竹刀の先が極端に細すぎる、
先革が破れている、ささくれができている、突垂がこわれている、床が固すぎる
等々、様々なものをあげることができます。しかしそれは明らかに、
障害に結びつくことが経験上予見できるものであり、指導者になろうとする者は当然前もって、
それらの不備にしっかりとした対応をしておかなければなりません。
一方、それに対して、剣道特有の動作に伴う障害は、それがトレーニングに伴って起きるものであるために、
障害が起きることがいたしかたないものように思われている節もあります。
しかしトレーニングに対する人間の形態的、機能的な適応の仕方とその限界とを知っていれば、
障害を予防しながらトレーニングを続けていく態度が身につくはずです。
少なくとも障害の起こり始めた時点でそれに気づき、対処することによって、
障害の程度を小さく抑えることが可能となってくるのです。
今回は、剣道で一番多いとされる
腰痛についてです!
腰痛について
脊柱のうち腰の部分は腰椎とよはれる5個の骨がたてにつながってつくられています。
この腰椎は生理的にやや前方に凸の湾曲を示していますが、湾曲のバランスは
腹筋、背筋、股関節屈筋、股関節伸筋などの筋群によって微妙に保たれているのです。
背筋は脊柱の後側に縦方向についている筋であり、背筋が収縮すると脊柱が後側にそるような姿勢となります。
腹筋は肋骨から恥骨までのびている筋です。
この筋が収縮すると脊柱が前側にまがって
腹部を縮めるような姿勢となります。
股関節屈筋は骨盤と大腿骨前面の間についている筋で、
この筋が収縮すると骨盤は前に傾き、
その為脊柱は後側に
そるような姿勢となります。
股関節伸筋は骨盤と大腿骨後面の
この筋が収縮すると骨盤は後に傾き、
その為腰椎の前方に凸の湾曲が小さくなってきます。
剣道のトレーニングを積んで、より遠くから飛び込むことができるようになった
剣道家は背筋が非常に強くなっています。
体を思い切って前傾させて飛び込む時の姿勢を支えるため、
背筋が強くなった結果として腰椎の前湾が強くなり、
腰痛が生じるようになってきます。
背筋をストレッチさせると共に膝を曲げて状態起こしをする腹筋のトレーニングで腹圧を高め、
腰椎を前方から押して前湾を防ぐことが大切な治療法ともなり、予防法にもなります。
腰椎のそれぞれの骨の間は椎間円板とよばれる軟骨からできた
組織がはさまれてクッションの役目をしています。
この椎間円板に無理な力が加わると、椎間円板の中心にある随核とよばれるものが後方に飛び出し、
神経を圧迫して、腰の痛みや足のしびれなどの症状を呈するのです。
これが椎間円板ヘルニアとよばれるもので、椎間円板の内圧が高い青壮年に起こりやすいものです。
脊椎の湾曲を大きくした時にヘルニアを起こしやすいと考えられます。
脊柱の湾曲に関係する背筋や腹筋の力をバランス良く高め、
脊柱を筋の力でしっかりと固定することが予防に役立つと思われます。
腰椎分離症は腰椎が2つに裂けることをいいます。
裂けた部分が離れていく分離すべり症とよばれるものに発展する場合もあります。
すべり症になると腰痛を起こす程度が多くなってきます。
小学校高学年から高校にかけ、背骨がまだ成長過程にある時に
激しい運動をして背骨に負担をかけると起こりやすいものなのです。
成長期の生徒を指導する時は運動量や運動強度が過度にならないように注意すると共に、
練習後は特に背筋などのストレッチを充分にすることが大切です。
椎間円板ヘルニアや腰椎分離症などは剣道競技者に特に多いとは言えないにしても、
自らが練習をしていく過程において、また、青少年の時にその障害の原因をつくってしまう!
このように、しっかり鍛えていくにあたって
体のメンテナンスや予防をしていかなければ怪我、痛みの原因になってきます!
こういう症状がある方は、早めの治療がおススメします。
何かあれば、一度ご相談下さい!